第1章

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「こんにちは、隣りに引っ越してきた、タヌキですが」 「えっ? アライグマかと思ったわ」 「よく間違われるんですけどね。顔が似てるせいかなぁ。でも、うちらはあんなに食べ物洗いませーんから」 「あら? そうなの」 「ハクビシンさんだって、フェレットと間違われたら嫌でしょう?」 「ちょっと、なんとなく顔が似てるからって一緒に……そうね」 「私らタヌキもアライグマと顔が似てるでしょう? しかし違うのは、奴らアライグマは食べ物を異常に洗うってことですわ。詳しい違いはネットで調べて下さいな」 「そうね。そうするわ。そっちも私達のこと調べてちょうだいよね」 「もちろんですとも~ ハクビシンはジャコウネコ科ですからね」 「あら、わかってるじゃない」 「お隣りに引っ越すですから、失礼のないように致しますよ。私らはイヌ科ですから礼儀を重んじますからね」 「良かったわ。お隣りさんがタヌキさんでアライグマだったら最悪ね。フェレットも間違われて最悪だけど」 「お互い苦労しますな。似た者同士がいて」 「そうね」 「これから仲良くして下さいな」 「こちらこそ」 「ではでは、ご挨拶がてら失礼しました」 「ご丁寧にどうも」 こうしてタヌキはハクビシンの隣りに引っ越して参りました。
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