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この鶴屋めゐ子とやらの身辺を探ることにした。
「そもそもなんで鶴なんだ」
「何かしらの恩返しをしないとずっと鶴なのです」
「ってことはあんたは恩返しをしてないってことか」
「そもそも恩返しをするような場面に出会わないのです」
それもそうか。いや待て、そうじゃなくて。
「じゃなくて、なんで鶴になってるのか、って話だよ」
「これですか?先祖代々こうですよ?恩返しをしないと人間になれないのです」
「人魚みたいだな」
「そんなものです。違うのは」
「ん?」
「鶴のままだと、20歳になると死ぬ、というところでしょうか」
なんかいきなりシリアスになったな。
「いまいくつだよ」
「初対面のレディにそんな事を聞きますか?普通」
「そんなんいってる場合かよ」
「はい」
えー。そんなんいってる場合なのかよ。
シリアスになったと思ったけど、どうやらそうでも無いようだ。
「まぁ、明後日20歳なんですけどね……?」
「……はぁ!?」
「この私、鶴屋めゐ子は、明後日をもって20歳になります!」
「それまでに恩返しをしないと……!?」
「死にます。祖先にもいました」
急展開にもほどがある。
とは言え、このめゐ子なる人(鶴)が辛いところを助けてやらないと、そもそも恩返しが成立しない。
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