第1章

4/5
前へ
/5ページ
次へ
「とりあえず、うち上がれ。一緒に恩返しする方法を考えてやるから」 「真剣に考えてくれてありがとうございます。このご恩は必ずや返しますから」 「おぅ、わかった」 ……待て。 「いまなんていった?」 「真剣に考えてくれてありがとうございますって」 「その後」 「このご恩は必ずや返しますから……はっ!」 「いま返せよ」 「んーと、えーと……命の恩人なので……。結婚とかですか?」 「話がぶっとびすぎだな。もっとソフトにしようぜ」 「えーと……。ここに住まわせてください」 「隣に引っ越して来たんだろうが。遊びにこれる距離だわ」 「それでは……友達になってくれませんか?」 「恩返しになるのか?なるなら、構わんが……」 「おそらく?」 「じゃあ……友達になってくれ」 「はいっ」 するとめゐ子の体が光に包まれた。 なんだ、アニメとかでよくある変身シーンみたいなやつだ。 「人……になりましたね」 「なったな。肌色要素しかないけどな」 冷静に言えたのは見えた瞬間に後ろを振り向いたからだ。 めゐ子は鶴だった。 鶴は服などを身につけない。 めゐ子は人になった。 だから、めゐ子は服を着てなかった。 なんだこの四段論法。 「わーきゃー!き、着替え!」 「お前んちは隣」 「裸のレディに外歩かせる気ですか!?」 ……はぁ。 「ったくもー。取ってきてやるよ」 「よろしくお願いします」 全く。 あ、そういえば、そこそこ胸あったな……もごもご。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加