第1章

10/13
前へ
/14ページ
次へ
「ただいま。」 靴を脱ぎながらりさは呟く。 (つかれた。) 結局書類を作り直すのに時間がかかり、定時上がりが夢と消え、終電までになんとか仕上げたりさの気力は消えかけていた。 玄関に座り込み息を吐く。 「なんで私、できないんだろう。」 ぼそりと溢れた声がなにもない空間に消える。 「あぁ~あ。今日が金曜日でよかった。明日はお昼まで寝てよう。」 しばし、玄関で座り込んでいたりさは急に ピンポーン とインターフォンの音に驚いた。 (え?こんな夜中に?) 玄関に座り込んでいたりさは静かに腰を上げて音を立てないようにカメラを見た。 (はぁぁぁぁぁ、か、神山主任?!?) カメラに写し出されていた人物は間違いなく、連日りさにマイナスを与えてくる神山だった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加