第1章

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神山恭介(かみやまきょうすけ)。 企画部主任。 私の直属の上司。 180を越える身長に整った顔立ち。 左ハンドルの車に乗り、スーツは常に清潔。 学生時代はスポーツマンだったためか、細すぎず太すぎない体型。 仕事は迅速で隙はない。 所謂完璧人間。 端から見ればそんなイケメンスーパーマンと仕事が出来て羨ましいと思うかもしれないが、これがそうもいかず、性格に難有り。 物事をプラスマイナスで全て判断する特殊な性格の持ち主。 正直この男が私は苦手である。 「轟さん、これではマイナスです。」 そして、私は企画部の落ちこぼれ。 努力しても現実は上手くいかない、それを体現したかのような人間。 必然的にこの完璧人間にターゲットにされているのである。 「マイナスです。」 この男の部下になって数ヶ月。 私は仕事でプラスをもらえることはあるのかと真剣に悩んでいる今日この頃である。
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