第1章

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聞いて聞いて! 隣に住んでいる男の人がとっても格好いいの! 年齢は私と同じ20代後半に見えるわ。 彼は黒髪の短髪でネコが好き。 毎朝7時30分に朝のジョギングを済ませて8時に家を出て会社へ行く。 彼はね、いつも私に声をかけてくれる。 優しくて素敵な男性なの。 それに彼はとっても笑顔が…… ──ピーンポーン あら、やだ。話している途中でインターホンがなったわ。 「はいはーい、今出ますー」 もしかしたら、お隣の男性かしら? ふふっ、最近仲良くなって声をかけてくれるようになったのよね。 もしかして家に上がったりするのかしら? そんな淡い期待を込めて、玄関の扉を開けると目付きの悪い20代くらいの女性が立っていた。 誰よこの人? 予想外で呆気にとられていると女は 「隣の家の佐藤ですけど」 と言ってきた。 佐藤? あの男の人と同じ名字じゃない! 「お隣に新しく引っ越してきた吉田さんですよね?」 そうよ? いかにも新しく引っ越してきた吉田ですけど。 「そうですけど」 「うちの主人があなたに付きまとわれて迷惑してるんです!もう何度も主人はあなたに『やめてください』と言っているのにしつこいですよ!これ以上、付きまとったら警察も視野に入れると考えてください!」 女は矢継ぎ早に「これが最後の警告です」 と言って帰っていった。
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