第2章

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女の部屋は、必要最低限のものしかない、とてもシンプルな部屋。 僕の部屋よりも、男らしい。 女は『歩』を進める。 「私は、そこの大学のバイオサイエンス学部の大学院二回生。みんなから、『おっさん』って呼ばれてるから、良かったらそう呼んで」 おっさん、ですか。 たしかに、おっさんぽい。 僕も『歩』を進める。 「僕も、おっさんさんと同じバイオサイエンスの一回生です。名前は……」 「名前は言わんでええわ」 「?」 「聞いてもすぐ忘れるから。 そうやなあ、君のことは『少年』って呼ぶわ」 おっさんと少年が、おっさんの部屋で将棋を差しているわけ?
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