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「おっさんさんは、大学で、何の研究を、しているんですか」
「鳥を使った再生医療。その、おっさんに『さん』は要らんよ」
僕の前に、コーラが置かれた。
おっさんは、缶ビールをグビッと一口飲んだ。
おっさんの喉が揺れた。
僕は、おっさんの喉の動きに見入った。
「で、少年は、何故に我がバイオサイエンス学部へ?」
「僕の兄、昔、体の一部を、無くしちゃったんです」
おっさんは『角』を滑らせて、興味なげに「ふーん」と呟いた。
僕は、おっさんを見上げながらコーラを一口飲んだ。
部屋に、僕から出たゴクリという音が響いた。
なんだか、僕がおっさんを前に、生唾を飲んでいるかのようで、恥ずかしかった。
「で、無くしちゃった部分を、少年が作るのが、ゴールなん?」
「そうです。だから、おっさんさんの研究…、再生医療、とても興味があります」
「少年よ、『さん』一つ多いって。おっさんね、おっさん」
「す、すみません……」
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