第1章

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特に話すことも無いから、礼を言い、ドアを閉めようと思った時に、女の将棋盤を思い出した。 「将棋するんですか?あっ、勝手に荷物見てすみません」 隣の女は、ボサボサの髪をかき上げて、僕の顔を見つめた。 「将棋、出来るん?」 「一応出来ますよ。大分前に、したきりですけど」 「挨拶がわりに、ひと勝負する?」 変わった挨拶だね……。 「良いですよ」 「じゃあ、部屋、散らかってるけど、どうぞ」 女は、少し嬉しそうな顔をして、僕を部屋へ招き入れた。
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