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「あなたは……」
『我は妖と神の血を受け継ぐものだ。
名は氷雨…』
青羽の問いに答えた。
「私の願い…」
『ああ、但し願いを叶える変わりに代償をお主に払って貰うぞ。』
古い口調で喋る男性の声だがどこか落ちつくその声の主は本当に願いを叶えてくれるのだろうか?
(半信半疑だけど、もしあの人に合える可能性があるなら…)
俯いていた顔を上げて、強い目で氷雨を見上げた。
「私は幕末に行きたい!
幕末に行って新見錦を幸せにしたい!!」
『新見錦か…。
あの男の死の運命を変えるのは一筋縄ではいかぬぞ!』
「それでも行くよ。」
『いいだろう。
その願いを叶えてやろう、ただし一度時代を渡ればもう2度と現代には戻ってこれない。
それがお主の代償になるぞ?!』
「ええ、それも覚悟のうえだよ!」
『お主なら大丈夫だろう、どうな運命でも乗り越えてゆけるはずだ』
ゴゴゴゴゴ……
と音が響き出した。
『これが時空の音だ。
色々な世界、時代を管理する扉だ。』
すると浮遊感に包まれる。
まるで階段から落ちてるような……。
私の意識はだんだんと遠のいていった。
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