隣人は猫で、僕の彼女。Full Ver.

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自宅のベランダを開けてすぐ、僕はこの不安が的中してしまったと知った。 あの猫が、僕のベランダで、うずくまっていたからだ。 「大丈夫か!?」 すぐさま、猫を抱きかかえ、引き寄せる。 猫はびっしょりに濡れて、身体が冷え切っていて、目も開けず、ぐったりしている。 いつもなら「にゃあ」と挨拶してくれるのに、反応もない。 ただ、小さく震え、浅く呼吸をしていることだけが救いだ。 でもきっとこのままでは猫の命が危ない。
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