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急いで、部屋の中に連れ込んで、タオルで身体を拭くと毛布でくるんだ。
自分の体温で少しでも温められるよう、胸に引き寄せる。
僕の部屋には暖房機器を用意していなかった。
寒い冬はたくさんの服を着込み、毛布にくるまって乗り切っている。
そうすることで電気節約している自分を称賛すらしていた。
しかし、今日ばかりは、暖房機器くらい、買っておくべきだったと後悔する。
「こういう時、どうしたらいい!?」
気が動転して、部屋の中をうろうろする。
腕の中で震えている猫はなんだか以前よりも軽くなった気がして、今にも壊れてしまいそうだ。
「お前のご主人様は何してるんだよ!」
何も出来ない自分への苛立ちとこんなになるまで放置している飼い主が許せなくて、声を上げてしまう。
「身体が冷えてるし、風呂に入れていいのか?でも風邪の時は風呂に入らない方がいいって言うよな……」
パニックした頭で、なんとか答えを探し当てようと考えて、自分の愚かさに泣ける。
「そうだよ! 病院だよ!」
僕は慌てて立ち上がり、毛布にくるんだ猫を抱きかかえ、何も持たずにアパートを飛び出していた。
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