隣人は猫で、僕の彼女。Full Ver.

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※※※ 実は隣部屋は空き部屋では無かったのだ。 そして、あのアパートの噂話も本当だった。 その女性が死んだということ以外は…。 だって、うちらを轢きそうになった女性がその張本人で、サトコの飼い主だったのだ。 彼女は以前、サトコと同じ柄であるサバトラ白のオス猫を飼っていて、僕と同じ理由で、『サトシ』と名付けて、もう何年も前から、隣部屋に一緒に住んでいた。 その『サトシ』が、突然姿を消してしまった。 彼女は『サトシ』をあちこち探しまわった。 その最中、交通事故にあってしまったそうだ。 彼女は重症を負ったものの、奇跡的に助かった。 だけど、『サトシ』を探すことはできなくなり、結局、見つける事は出来なかった。 身体が回復した後、彼女は『サトシ』はきっとどこか遠く旅に出たのだと思うことにして、気持ちを切り替えるためにと、彼女も気の向くままに世界を旅することにした。 彼女は画家らしい。 そして、数ヶ月前、旅先で以前亡くなった同じ柄のサトコと出会ったそうだ。 彼女は捨て猫だったサトコを放っておけなくなった。 でも、画家の仕事の関係で、今すぐ、自分では飼えない。 彼女は何とか伝手を探して、しばらく友達の祖母である老年の女性に預かってもらうことにした。
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