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いつもと同じ時間、いつもと同じアラームで目を覚ます。
昨日は、結局、アキラも誰も来なかった。
まぁ、皆、それぞれ生活がある訳で、実際、俺も全くサイトへ行けない日もあるし。
いつもと同じ道を通り、いつもと同じ会社に行き、いつものように少し猫背で、いつものように仕事をする。
いつもの通り、同じ道を帰り、いつものコンビニで、弁当を買い、いつもの部屋へ帰って行く。
…今夜は、アキラ来るかな…
アパートの部屋は身体の居場所。俺にとっての心の居場所、帰る場所はアキラとかと会話する掲示板の中だった。
部屋のドアを開けようとした時、隣のドアが開きドキッとしながら思わず目を向けると、一昨日まで空き部屋だった部屋から女性が出て来た。
向こうもこちらに気付くと、一瞬固まっていたが、すぐに「あ…隣に越して来ました 葛西 彰子です!宜しくお願いします」とペコリと頭を下げた。
「あ…佐藤です…宜しく」
俺は例の如く、サッと目線を落としてペコリと頭を下げ、そのまま部屋へ入ってしまった。
感じ悪かったかな…でも俺には無理だ。あれ以上の会話は。
度々味わう自己嫌悪。もう慣れたさ。
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