素肌を彼に預ければ

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合わせ鏡で見てみると、結構大胆に背中が大きく開いている。 それを見て、背中が綺麗だといつもキスをしてきた寧史のことをつい思い出してしまい、鏡から目を逸らした。 彼を思い切ると決めても、記憶をすべて消せる訳ではない。 あの倉庫での出来事以来しばらく経つけれど、寧史とはまったく関わっていない。 あのあと席に戻ると、私が倉庫に落としてきたファイルがきちんと重ねて机に置かれていた。 誰が置いたのかは明白だ。 『遅かったね』 『…うん』 きまり悪く席に座ったけれど、美和は私の顔をちらっと見ただけで、何も突っ込んでこなかった。 私が持っていたファイルを寧史が返しに来た訳だから、どうみても怪しいのに。 寧史のことは誰にも言えないけれど、せめて黒木のことは早く美和に打ち明けておかないと……。
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