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それからは並び順に洗面所とバスルーム、クローゼットルームと見せてもらい、残るは扉一つになった。
「ここが寝室」
深く考えるまいと思うのにいきなり緊張がマックスになって、ドアを支えて私を促す黒木の顔がまともに見られなくなった。
抑え目の照明の広い部屋には、落ち着いた色調の大きなダブルベッドとサイドテーブルがある。
かなり大きな部屋なのに、長身の黒木といるとベッドの存在が迫ってくるような気がした。
「ベッドはこれで構わない?」
「えっ?あっ、はい」
緊張のあまりまるで家具屋でベッドの品定めをしているような勘違いをした私は、大胆にもいきなりベッドにポンと座ってしまった。
「や、柔らかいです」
反応のない黒木を見上げると、少し微妙な表情で私を見つめている。
「……僕の寝相はたぶん悪くないと思うんですが、もっと大きなものに買い換えた方がいい?」
聞かれていたのは大きさだと気づいて、恥ずかしさのあまり硬直する。
続いて彼の言葉が示す意味が頭に浸透してきて、彼を見上げたまま、顔が真っ赤になってしまった。
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