素肌を彼に預ければ-2

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寧史が去って、愛する対象を失った私の心はぽっかりと大きな空洞があいているようだった。 そこに入るのは黒木でなければならないのに。 愛しても愛されてもいない中途半端な関係をどう壊せばいいのか分からなかった。 寧史の時はいきなり炎に放り込まれたように、考える暇もなく圧倒された。 私はただ、彼に心と身体を奪われるままでよかった。 なのに、黒木は約束だけで実体を求めず、奪おうとしてくれない。 「……いいんですか?」 私を見つめていた黒木が不意に口を開いたので顔を上げようとした瞬間、肩を掴まれてストンとベッドに落とされた。 肩から伝わってくるのは、初めて感じる黒木の体温だ。 突然のことに驚きながら、間近にある彼の顔を見つめて機械的に頷いた。 「本当にもう、いいんですね?」 一瞬の間のあと聞こえた彼の言葉の意味を考える前に、視界がぐらりと反転して私はベッドに押し倒されていた。
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