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「そうだよ、あれこれ考えちゃダメだよ。黒木主任がすんなり承諾したのも里英のこと一目で気に入ったんだって」
「それはないと思うけど……。でも、その、好きになって欲しいなって思う……」
「やだ里英ったら照れ照れじゃん」
言ってる途中から恥ずかしくなって赤くなった私に美和が大ウケした。
「いいなぁ。私も実は前にお見合いしたことあるんだけど、とても恋なんか生まれそうにない相手だったよ。条件は最高だったんだけどね」
「えっ、美和、お見合いしてたの?知らなかった」
「恥ずかしかったから里英に言えなかったんだけどさ。結局、親の圧力に流されて結納までしたけど、そこで限界が来てドタキャンした。もう相手に申し訳なくて土下座ものだった」
「断ったのは恋ができなかったから?」
「いや、それだけなら覚悟してたよ。ぶっちゃけ、夜は無理だと思ったから」
ストレートな理由に吹き出しそうになったけれど、美和が大真面目なので我慢した。
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