捨てられた女でも

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西野円香だとしたら、権力を持つ父親に私の排除を頼むことだって有りうるし、西野専務もそれに反対するような人格者ではないだろう。何しろ興信所まで使う人たちだ。 考えるだけで胸が悪くなる。 「つーかさ、宮内もリストラするなら私に言ってくれたらよかったのに!黒木主任と結婚できるならリストラ万々歳だよ!……って、いいかげんしつこいな私」 前でガンガン飲みながら自分で突っ込む美和に思わず吹き出して、疑問は頭の隅に追いやった。 私をどん底に落としたあの電話がもしお見合いに繋がったなら、美和の言葉通り万々歳なのかもしれない。 「うん。肩叩きでも何でもいいよね。前向きに考えよう」 西野専務のことは憶測に過ぎないし、寧史との事情を知らない美和には言えない。 寧史との過去は、結婚を決めてくれた黒木をも貶めるようで申し訳なかった。 これ以上誰にも知られず葬り去りたいし、私ももう忘れたかった。
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