二人の温度

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「あいつ、めっちゃ感じ悪いんだよ。尊大でさ。絶対、私らのことゴミとしか思ってないよ」 「へーえ…」 「次期社長ポストの最有力候補らしいよ。エネ本、業績好調で幅きかせてるからさ。ケッ、あんなのが会社の顔って超やだ」 寧史が西野円香に飛び付く訳だ。 となると、黒木との出世争いも寧史が逆転する……? そう考えたら私も無性に腹が立ってきた。 「実力で出世すべきよね!」 「うん。裏取引と策略好きで腹ん中真っ黒らしいよ。次期社長ポストだって、絶対汚いことやったんだよ」 寧史を指した私の言葉とちぐはぐに噛み合いながら、美和が賛同した。 「身内贔屓激しいし、邪魔者排除は容赦ないから睨まれたら怖いんだって」 「まるで恐怖政治だね」 天国か地獄か。 寧史も恐ろしいところに婿入りするもんだなと考えたあと、邪魔者排除のワードに自分も当事者かもしれないと気づいて苦笑いした。
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