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ところが、ふと視線を感じた気がして顔を上げると、寧史が斜め前方からこちらを射るような目で見ていた。
黒木の席の一列後方にいたのに、さっきの私は黒木の背景にはまったく目が行ってなかったらしい。
いつから見られていたのかは知らないけれど、黒木と専務室に入ったのは知っているだろう。
こちらを睨んだままの寧史に、頭の中でべーっと舌を出す。
寧史を見たいだなんて、今の私はもう欠片ほども思ってないんだから。
それからプイッと向きを変え、エネルギー本部を後にした。
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