第6話 二人の温度

二人の温度

＊＊＊

結婚の準備は慌ただしく進んでいた。
ドレスの仮縫いやブーケの手配、招待客のリストアップに席次表その他諸々、相変わらずまったく時間の余裕は持てそうにない。

というのも、五月に入ると黒木に海外出張が入る予定で、その分前倒しで急いでいるのだ。

今は席次表に使う紙や私の引っ越しに備えた生活用品をホームセンターで調達した後、ついに車の練習をさせられた帰りだ。

車の練習はぶつけはしなかったものの散々で、我ながら救いようがないレベルだった。

黒木は隣で笑い転げていたけれど、滝汗をかいた私はどん底までの落ち込みからまだ立ち直っていない。