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「桐谷もここだったか?確か招待状にはハイアットって書いてなかったかな」
「ああ、そうだよ。ここはドレスだけ。彼女が妊娠してるからね」
そういえば以前、ここはマタニティードレスにも対応しているため外部利用が多いとか聞いたっけ。
まったく用心していなかった自分を呪う。
一方で、寧史の自慢気な口調がかえって馬鹿馬鹿しく思えて内心失笑が漏れた。
「あら、お知り合いですか?」
その時、少し離れた場所から大きな声が響いて、化粧の濃い派手な女性がこちらにやってきた。寧史たちの担当者らしい。
「はい、同じ会社なんです」
「まあ、それはそれは、おめでとうございます!こちらのホテルで挙式されるんですか?」
「はい」
すると彼女はこんな職業に携わっているのが不思議なほど、露骨に不躾な台詞を口にした。
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