遭遇

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翌週、私は黒木に運転してもらい、ドレスの仮縫いでホテルを訪れていた。 前回の仮縫いはまだ大まかなフィッティングを確かめる段階だったけれど、今回はほぼ完成に近い状態にまで仕上げてくれていた。 「前回はトレーンが少し長めでしたのでそちらを修正して、あとはデザイナーからの提案で身頃のパール刺繍を裾にも一部入れさせて頂きましたが、如何でしょう?」 「はい……ありがとうございます」 アドバイザーの声を聞きながら鏡を見つめると、少し不安気な顔の私が見つめ返してきた。 黒木は気に入ってくれるだろうか? 細身のデザインでしかもレースなので、地味顔の私が着ると、一歩間違うとネグリジェだ。
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