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「電話もしてないのかしら?」
本人か興信所に聞けばいいじゃないかと言い返したいのを飲み込んだ。
下手に喋ると、寧史と接触したのがばれてしまう。
「この間、私が気分悪くなった時、寧史と喋ってましたよね?」
「……」
やっぱり見られていたらしい。
自分の介抱をせずに私の所へ行った寧史が許せないのだろう。
「寧史があなたに未練がましいことを言ったかもしれないけど、彼は私を選んだので」
紅茶じゃなくて、私も牛乳にしておけば良かったかもしれない。
わずかなカフェインにも反応してしまいそうなぐらい、胃が煮えくり返った。
答える前に、一つ大きく深呼吸する。
「ご心配されているようなことは一切ありません」
なぜこんなに威嚇してくるのだろう?
とにかく彼女が知りたがってる情報は絶対に与えてやるもんか。
受け流す態勢を崩すまいと闘志を固め、紅茶にミルクをたっぷり足してがぶ飲みした。
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