奪う女と奪われた女

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「これって……私の招待状のせいだけじゃないよね?」 「どういう意味?」 黒木が招待状を出したかどうかを知りたい私の意味不明な質問を聞いて、いつも通りヘルシー定食の列に並んだ美和が怪訝そうな顔で振り向いた。 「だから、黒木主任の招待状の影響もあるよね、ってこと」 「そりゃそうでしょ。うちらの部の面々って基本的に引きこもりだから人間関係狭いじゃん?ここまで一気に広まるのはアッチ関係だね」 「そうだよね……」 「何よ里英、変なの」 やっぱり寧史の言うことなんて、全て真に受けなくていいんだ。 黒木が本当に結婚するつもりでいるなら、西野円香のことは彼の中でけじめをつけてくれるのかもしれない。 少しでも安心材料を見つけようとトレーを抱いたまま思案していると、美和がはしゃぎ声で耳打ちしてきた。 「ねぇ、めっちゃ睨んでる女子もいるよ。こわいこわーい」 どう見ても美和は面白がっているようだ。
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