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「いちいち反応が可愛いよね」
彼が画面に向かって笑いながら小さく呟いたのを、バカにされてるのかもと思いつつ、単純な私の頭は額面通りに受け取ってしまう。
彼の肩に隠れて私が顔から湯気を立てているとは知らず、彼はキーを打ちながら今度はごく普通に続けた。
「ログインパスワードはとりあえずフルネームにしておくけど、後で好きに変えてくれたらいいよ」
「はい。……あっ!変えません」
「いやいや、プライバシーも欲しいだろうし」
彼が瀧沢ではなく黒木姓で私の名前を入力したので飛び上がった。
「今は時間がないけど、次に使う時までに余計なものを削除して掃除しておいてあげるよ」
画面を覗くと、デスクトップには仕事関係らしきフォルダがずらりと並んでいて、あまり趣味には使われていない印象だ。
「掃除って、別に怪しいものなんか無いからね。言っとくけど」
「……もし変な画像とか見つけても、嫌いになったりしません」
「だから無いってば」
少し困りながら大真面目に答えると、設定を終えたパソコンを私の前に置きながら彼が笑った。
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