お隣さんは○○○。

笹林 誠人（ささばやし まこと)

１か月前、帰宅するとダイニングテーブルに置き手紙と離婚届けが置かれてあった。

結婚18年目の事だった。
理由はその時には分からなかった。

妻は私より9才下で
出会ったときは音大の学生だった。
会社の新製品のイベント会場で知り合った。
妻はその会場でアルバイトをしていた。

なぜか妻から積極的に誘ってきた。
若くて可愛い音大生に迫られては断る理由もなく…
そして、
いわゆる、授かり婚というやつで、
知り合ってからあっという間に結婚してしまった。

私が29で妻は20だった。
同僚からは羨ましがられた。

穏やかな結婚生活で、
私は、いや私達は幸せだと思っていた。

私は色々と思い当たる事を考えた。
浮気がバレた？
しかし、もう何年も前の事だ。
一夜の遊びの付き合いが何回があったが
私も年を取り今は落ち着いている。

家事も出来る限り手伝ってきたし、
育児にも積極的に参加した。
休みには家庭サービスで行きたい所へ連れていってやった。
妻の事は私なりに愛情を注いでいたつもりだった。
妻の気に入るように家庭は任せていたし…。
妻は何が不満だったんだ。

40で社宅から出なければならなくなり、
当時この辺りでは高級なマンションだった、ここを妻の希望で、妻が望むならばと私は奮発して新築で買った。

そのマンションで今は高校生の娘と二人で暮らしている。
娘には妻から連絡があるようだった。