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「これ、良かったら……」
少しおずおずとしながら光の中の零次が取り出したのは、同じペンダントだった。
「え、もしかして……」
「誕生日おめでとう。小さいけど、プレゼント」
「お、覚えてくれてたんだ……ありがとう、ずっと大切にするね」
そうだ。――俺たちはほんの短い間だったけど、こうして結ばれていたんだった。
そこまで聞こえたところで、零次の意識が不意に途絶えた。
「懐かしいな。確か、離れ離れになる少し前の時だったかな」
「思い出して良かったですニャ。……零次様ならきっと、心の奥に過去の記憶が眠ってるはずだと思ったのは、正解でしたね」
「そうだな。……ありがとう、ナハト」
「お礼を言うのはまだ早いですニャよ?」
ナハトがニヤリと笑みを浮かべた。
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