第1章
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話を聞いたオオカミはウサギの隣に座ると、池の中に手を入れました。 「たしかに、大事なものを包み込んだ両手は、いつかは零れていってしまう時がくる」 オオカミは池から手をあげると、泣いているウサギの目の前に握った手を見せました。 ウサギは目を見開いてそれを見つめました。 オオカミは、握っていた手をゆっくりと開きました。
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