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紺野莉悠を中心に和気藹々とした雰囲気。
彼女は彼らのマスコット的な存在なのか。
そんなのは、どうでもいい。私の存在は完璧に忘れ去られていた。
「……ねえ?」
「あっ! ごめんねー。鬼さんが煩くてぇ」
あなたもだけど?
「それで私の処遇は?」
「勿論、ここにいてもいいよ!」
紺野莉悠、あなたが決めていいの?
「勝手に決めんじゃねぇ!」
鬼呼ばれされてる土方が突っ込んだ。紺野莉悠はえへへーと頭を掻いてる。
「で? 貴様も俺らの行く末を知ってるのか?」
「歴史は興味のないので、全く」
土方の問いに素直に答えた。ここで嘘吐いたり去勢を張る必要はない。
「ええー! 香月さん、彼らのこと知らないんですか?」
見下した言い方に、イラついた。
「新選組という名前は知ってるけど、彼らは壬生浪士組でしょ? まぁ、新選組が何をしたのかさえ知らないけど。私にとって重要なのは未来であって、過去のことには興味がない」
きっぱりと言い放つ。その私に対して紺野莉悠は、何故か笑い出した。
「香月さん、おもしろーい! 新選組も壬生浪士組も同じですよー。あと少しで変わるんです」
彼女は歴史に詳しいのか。
「そう。じゃあ、ここが何年前か教えてくれない? 沖田総司の名前で幕末だということは分かったけど、それが何年前なのかはサッパリ」
場の空気が張り詰めた。
「ちょ、ちょっと、香月さん!!」
「何?」
「何で言っちゃうの?」
「何が?」
紺野莉悠は焦ってる。
「言われたでしょ!? 歴史を変えてはダメだって!」
「誰によ?」
友達が一緒な訳ない。教師? そんなタイムスリップが日常茶飯事みたいじゃない。
「この時代に来る時に、神様みたいな胡散臭い人に会ったでしょ?」
「ーーは?」
何、この子……。頭、大丈夫?
胡散臭い神様を信じたの?
「会ってないの?」
「普通に歩いてたら、この時代にいたんだけど?」
紺野莉悠は瞬きを繰り返してる。
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