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ショコラ・ショコラ
「あ」
部活の帰り道。繁華街を歩いていた時に、一緒にいた友達二人が揃って足を止めた。
「どうした?」
「ここ、この前来た店だ」
「俺も」
二人が視線を向ける先には、いかにもおしゃれでかわいらしい感じのカフェがあった。
「男子高校生二人で、ここ~?」
白を基調にした造りの店は、外観や立て看板のメニューを見るだけでも、いかにも女子が好みそう…いやむしろ、レディース専用男はお断りとか言われそうな店だ。
窓から窺っても店の中は女子だらけ。
部活帰りだから腹は減ってる。家までもたずにちょっと寄り道、なんてのはよくあることだけど、さすがに野郎二人でこの店というチョイスはない。
それを指摘したらどっちにも思いっきり首を振られた。
「違う違う、コイツとじゃない」
「相手、女子だし」
「何だ、デートかよ」
急に面白くなくなった。
へーそー。おデートですか。可愛い彼女のためにこの愛らしい店を選んだ訳ですか。
「デートとか、そこまでのもんじゃないって」
「俺の方も…多分違うな」
「じゃあどういう理由で来たんだよ?」
「それは…」
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