知らない隣人

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 長屋にある自分の九尺二間の部屋はどこにもなく、ボロボロの小屋に裸で横になっておりました。  隣りにはとても綺麗な若い娘が一人。見たこともない変わった着物は乱れて娘はぐったりと眠っています。 「……夢か?」  喜三郎はそう呟くと娘をじっと見つめ、そうして首を左右に振りました。  はだけた奇妙な着物から見える白い肌。二つの綺麗な胸を覆う奇妙な形をしたさらし。  喜三郎は慌てて小屋を出ました。
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