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「あ、一年の! この前、近衛くんに抱えられてた子!」
「すごーい、部活に昇進できたんだ」
「やだー、歩夢もいるじゃん」
サッカー部のマネージャーは、皆、見た目も華やかでうっすらと化粧までしている美人軍団だった。
その上、歩夢とも普通に話すような目立つ女子ばかりだ。
「お前ら、そんな可愛いのに、部活で人生の数時間を無駄にするって――損だよ」
「あはは。じゃあ、依頼しちゃおうかな」
「歩夢と玲音、どっちかと付き合いたいな」
「分かる分かる」
右から左から声がし、爆笑し、収集がつかない。
利香は、茶髪で、ウェーブかかった長い髪の、利発そうな女子に、生徒会からの手紙を渡した。
「この前の希望書の結果みたいです」
「あ、え、わー、ありがとう。嘘、やばくない」
かさかさとすぐに中を開けて見て見れば、サッカーボールの購入は認められたが、ウォーターサーバーの設置は却下されていた。
「なんでー!? 野球部は設置されてるのに!」
「兼用とかまじ無理よね。あいつら何十人も居るのよ。休憩ずらすのも難しいのに」
「ボールも、希望の数の半分じゃん」
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