四、部活結成。

25/40
前へ
/326ページ
次へ
マネージャーを探すと、赤いジャージを着た体格のがっしりした集団を見つけた。 「あら、キャプテンに抱えられて入学式に現れた子だわ」 「恋愛派遣部ですー。生徒会の代理で希望調査票の結果持ってきましたっ」 楽々と野球部のボールが入ったコンテナを持ち運び、バットを四つ持っても顔色を変えない、がっちりしたマネージャー集団が利香を取り囲む。 「ありがとうー。あら、やっぱりキャプテンの希望全部OKみたいね」 「良かったわー。テントは足りないと思ってたのよね」 「ボールもだけど、グローブもよねー」 「あ、のう」 どっちかと言えば、女子野球部のチームと言えばチームにしか見えない集団に、利香は尋ねる。 希望調査票を持っていく先々で、そっちに気を取られてばかりだと、この先が望めないと理解したからだ。 「恋愛向上に努めたいのですが……誰か好きな人がいて、思いを伝えられない人とかいたら、私に依頼してくれませんかっ」
/326ページ

最初のコメントを投稿しよう!

116人が本棚に入れています
本棚に追加