二、部活紹介二日目

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「飯嶌 美音(いいじま みおん)です。三年で、美術部部長。あ、あとは朝部の三年生が副部長してくれてて三年は三人、それ以外は皆、二年生なの」 緑に染まるスモッグを着たまま、漸く部活紹介を聞けたのは30分以上経ってからだった。飯嶌部長は、油絵専攻で、一年の時から数々のコンクールで賞を総なめしている実力中の実力者らしい。 そんな、オーラが見えない素朴で純真な雰囲気の可愛らしく小さな先輩だった。 「それと、何も無いところで転ぶ大賞も開催されたら多分一位」 「眼鏡眼鏡と探したら頭の上だった大賞も開催されたら一位だよね」 「うううう。酷い! 最近は気を付けてる方なのに!」 二年の部員とは冗談も言い合えようで、部活の雰囲気も良かった。 「私と近衛くん以外の部員は、朝部も踏まえて夏のコンクールの向けて園芸部の御花を描いてるから向こうに殆ど行ってるかな」 「え。ってことは近衛先輩って油絵なんだ」 昨日、制服に付着したのも油絵の絵の具だったからそう言われたらそうなのだろう。だが花を描く近衛が微塵も想像できない。 「去年のコンクールの作品を展示してるけど、近衛君のも見る? 近衛君は朝部だから一年かけて一作しか描いてないけど、展示してるよ」
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