二、部活紹介二日目

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垂れ目がちの右目の横に、黒子があるのが印象的な先輩。 近衛ががっしりと筋肉で重そうなのに対して、身軽そうな小麦色の肌で屈託なく笑うその先輩に、二年の部員が一気に女の子らしく恥じらう姿が伺える。 「あれ? 見学者一人だけなんだ。昨日の入学式での響也の演説で集まると思ったのにな」 利香を見て、その人は目を点にした後今度は近衛と交互に見る。 「あれ、この子、……昨日お前が抱えてた兎ちゃんじゃん」 「気づくのが遅い」 ムスっとした近衛の短い髪をクシャクシャにかき混ぜながら、利香にっこり笑ってくれた。 「サッカー部部長の海栄 玲音(かいえい れお)です。兎ちゃんとライオン。相性ばっちりじゃね?」 「あはは。確かにそうですね。私が捕食対象ですけど」 そう言うと、お腹を抱えて笑いだした。笑い上戸のようだ。 「俺と響也は部長だから本当は仮扱いになるんだけど、一応美術部部員だから、よろしく」
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