二、部活紹介二日目

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「可愛いだろ。俺にはライオンに見えちゃったんだよなー」 「こいつはただライオンが好きなだけだ」 「響也、ひっでー。お前が今描いてるのも見せてみろよ」 羽交い絞めにしようとして、逆に玲音は簡単にあしらわれるが、二人はじゃれあう様で見ていて可愛らしい。威圧的で近寄りがたい雰囲気の近衛には調和される相手だ。 「玲音先輩も近衛先輩の幼馴染とかだったりして」 「当たり。こいつと、園芸部の菫と、俺。生まれた病院まで一緒の幼馴染!」 「へー。病院までなんて凄い!」 だが、このお互いを知りつくした雰囲気を見て見れば納得だ。 「くだらん話はいい。新入生の様子を見たかっただけだ。俺は戻るぞ」 「じゃあ、俺も。サッカー部でも朝部に美術部宣伝しとくから」 嵐の様に現れた二人は、また嵐の様に去って行く。 だが、二人になった時、玲音が近衛に何かを耳元で囁くと近衛が優しく笑ったのが遠巻きに見えた。 近衛を笑顔にすることができるのは、良く知っている玲音だけなのかもしれない。
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