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『生徒会および学園の行事の助っ人、補助、そして人々の交流の助け合いを全力でサポートし、部活および学園の活性化、向上化を目的とし此処に『公務部』設立の受理を願う。公務部部長 兎輝 利香 』
『部員 二年 高梨歩夢 高宮賢次郎 華椿林檎(はなつばき りんご)
一年 軍願寺みなも』
ごろごろと雨を携えた雲が浮かぶ、灰色の空の朝。
部活結申請書を提出し終え、職員室を後にした利香の気持ちは晴れなかった。公務部という名は、『恋愛派遣部』では受理できないと兄の輝夜に言われたのでなくなく訂正したからだ。だが、はっきり言って不満で一杯だ。受理されたのち、絶対に名前を変えてやろうと誓っていた。
部員の一人に置いては、映画のロケが終わるまでは顔さえ見れないと言う始末だ。
「おっはよーう。うわ、不機嫌」
「おはよう。やっぱ申請した名前がダサくて嫌なんだもん」
「えー。恋愛派遣部なんてもっとださいわよー。本当の目的は隠して世を憚った方が格好良いわよ」
みなもは絶対に憚るの意味を間違えている。
そうは思うものの、利香は憔悴しきっていてそれ以上の会話はしたくなかった。
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