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「部活の申請も早いから急がなきゃだよね。今週末だったかな。利香はもう朝部に今日から行くの?」
「うん。他を見学しまくってたら、揺れまくって浮気しちゃいそうだからもう園芸部だけにするー」
「ふーん。じゃあ、私も音楽部に行こうっと」
人見知りだと言うのに、音楽のことになると途端に元気になるみなもはなかなかの大物だ。
「みなもちゃん、虫とか平気なら園芸部も――」
「無理無理無理! じゃあねー!」
みなもは、虫と言う単語が出た瞬間、逃げるように去って行ったが、利香が言いたかったのはその先だ。
朝部の美術部部員は、花を描きに温室にいる。みなもの憧れの筋肉、近衛もきっと温室に居る。利香はそう伝えたかったのだが、タイミングを失った。
「まあ、いいか」
利香も遅刻しないようにと温室の方へ急いだ。
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