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「本格的に動き出すんで、まずは菫先輩の好きな人が誰を好きなのかとことん調査します!」
「――ああ。どうして此処でしかも大声で、依頼主のプライバシーのかけらもない発言をするの。貴方、デリケートな問題だって理解している?」
頭を抱えた菫先輩は、両手で頭を抱えて頭を振っているがいまいち分かっていない利香は首を傾げる。
「好きって気持ちが何でデリケートな問題になるの? 伝えられないのは――部活が忙しいからなんでしょ?」
「……」
菫の顔が、呆れたような疲れ切った顔に変わる。
「そんな風に逃げてる人もいるかもしれないけど、貴方みたいに堂々と言える気持ちなら片思いなんてしないのよ」
「そっか」
「貴方が他人の気持ちを理解しないなら、私は依頼を止めとくは。やっぱ」
「菫先輩」
「ちょっとがっかりしちゃった」
深い溜息と共にそう吐き出すと、菫は静かに車椅子を回転させて薔薇の植えてある奥の方へ消えて行った。
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