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「……」
もしかすると、菫にとっての幼馴染はどんなに仲が悪くても通じ合っているものという認識か、はたまた歩夢たちが仲が悪い思っていないのかもしれない。
「どーせ昨日遅くまで生徒会の仕事してたからどっかで眠っているんだろう」
「あはは、歩夢君みたいね」
「お、笑顔も可愛いな。やっぱアドレス交換しようぜ」
歩夢が携帯を取り出した瞬間、菫の車椅子が回転した。
「誰に許可取ってんの?」
「――そこの可愛い崎山さんだけど。お前の許可が居るの?」
歩夢に立ちはだかったのは、歩夢よりもやや視線が下にある、ピンクのレインコートを着た玲音だった。
「俺と近衛の審査がいるけど?」
「ぷ。お前ら三人、もしかして幼馴染ってやつか」
歩夢が、菫の無条件で幼馴染を信頼している理由を瞬時に理解してそして噴き出した。
菫の様に可愛い生徒今まで接点が持てなかった理由も分かった。歩夢は誰かのものである女には興味が無かった。
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