四、部活結成。

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「ふっ」 鼻で息が出来ないのが分かった輝夜は、寝ぼけたまま口を開けた。 パクパクと口を開ける輝夜の顔に、歩夢の目が獰猛になるのが分かった。 歩夢の顔が近づくのと同時に、生徒会室の前を慌ただしく走って来る足音が聞こえてくる。一つでは無く、二つだ。 賑やかなその二人の足音に聞こえないほど、歩夢は寝ぼけた輝夜を見つめている。 近づいた、顔。触れる唇。 その真実だけは、目撃してしまった利香と賢次郎だけが知っている、秘めた思い。 「ぎゃー、お前、歩夢!」 「歩夢君」 利香と賢次郎が生徒会室の扉の前で呆然としていた。 「おかしいよなー。俺、利香みたいに胸が無い兄弟はタイプじゃねーんだけど」 「いやいや、お前、今のはおかしいだろ」 「……それが、俺の理性はおかしいかもしれんが、秘密を知っている以上、おかしくはないんだよなー。ややこしい」 歩夢は、理性が効かず本能的にしてしまったと首を傾げているが、利香は大きく口を開けていた。 歩夢が、輝夜の呪いを解く王子様に見えたのだ。
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