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「歩夢君、もしかしてお兄ちゃんが!」
「はあ? ないないないない。まじでない。俺は巨乳が好きなの。マジでない」
何度も否定しながら、歩夢は輝夜の頭を小突いた。
「いって」
「こんなところで眠ってるお前が悪い」
しかも、だ。多分であろう、ファーストキスが眠っている間に無くなってしまっていることを輝夜はまだ知らない。
何故、歩夢に頭を殴られたのか首を傾げながらも、目の前に可愛い妹が居るのに気づき眉を下げた。
「申請、許可しておいたよ。おめでとう、公務部!」
「きゃー。お兄ちゃんありがとう」
歩夢と輝夜の今の出来事を吹き飛ばす様に、利香は大声で叫んで輝夜を抱きしめた。
「部室もないだろう。生徒会室の隣が、生徒会の資料とかの倉庫になっている。使っていいから」
「わー。ますますありがとう! お兄ちゃん大好きっ」
「もっと言っていいぞ」
二人が硬く抱擁しているのを、賢次郎と歩夢が冷たい瞳で見ている。
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