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「でも今日、最初の依頼者さんをがっかりさせてしまったから……頑張らないと」
「へ、すげーじゃん。もう依頼?」
「でも、呆れて依頼止めるって言われちゃった」
泣きだしそうに肩を落とす利香に、感情移入した輝夜も目を潤ませている。歩夢は机に両肘を付いたまま、嘆息した。
「じゃあ、担当変えればいいだろ。俺がそいつの話を聞いてやる」
「え、歩夢君がちゃんと部活動してくれるの?」
「なんやー。今日雨降ったの、歩夢の仕業かいっ」
「ちげーし。この生徒会室が気に入ったから俺のモノにしたくなっただけ。ついでにその机とふかふかの椅子も貰うから」
どけよ、と輝夜の椅子を軽く蹴った。すると、寵愛する妹を抱きしめながら緩んでいた顔を険しくさせてものすごい形相で睨む。
「お前に生徒会の重圧は無理だと思うぞ」
「そんな面倒なやつは、利香にさせる。俺は裏で操る感じ?」
「ゲス―」
「ゲスゲスー」
利香と賢次郎が粋を合わせてチャチャを入れた。
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