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「そうだね。お兄ちゃんは今日はちゃんと休んでてね」
「うーん」
「何か雑用押し付けても良いんだよ?」
輝夜の顔色がまだ悪く、血が通っていない蝋人形のように真っ白なので利香も心配して尋ねる。
勿論、仕事はまだまだ山ほどあり、補助として有能な千昌が居ないのもあり、今日分の仕事がまだ二時間分遅れて未消化だった。
「じゃあ、公務部の初の仕事だが、希望届が出ていない部活と、出ている部活にそれぞれ別々の書類を渡して欲しい」
「希望届?」
「新入生が来る前に、部活で使う道具で壊れているモノ、または購入して欲しいモノの希望届を出す様にしていたのだが、出ていない部活が数カ所。届けが出たが、今は必要が無い、または購入見送り、または購入の検討などの報告書が入った書類の配布。で、それを踏まえて、新入生の入部数によって希望届の受理を決定する部活会――」
「おい、輝夜」
「なんだ?
まだ話途中だとむっとしている輝夜に、歩夢が愛しの妹の顔を指差した。
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