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またか、と苦笑しながら、
饅頭を受け取って帰る者もいるが
わざわざ辺鄙なこの場所まで
店のために来た者はそうはいかない。
「おいおい、何とかしておくれよっ!
俺はこのためにわざわざ
一番鶏も鳴かない頃から家を出たんだゾッ!」
「それは申し訳ないことで・・・・・・
ですが、ああなってはもう・・・・・・・・・」
弱り切った顔で店の奥を見つめた詩は
悲し気に微笑む。
「2人がああなったら、
止められるのはネェさまだけだから・・・・・・」
「じゃあ、その人を呼んどくれよっ!」
ごめんなさいね、と詩は泣きそうに顔を歪める。
「それは無理なの・・・・・・
だって、ネェさまはもう・・・・・・」
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