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壱
大きな山々に囲まれ、
町から遠く離れた小さな漁村。
でも、そこでしか取れない魚があって
辺鄙なその場所にしては結構にぎわっていた。
何よりその村の物は皆が皆、
元気溌剌としていて明るく、前向き。
老人でさえ、てきぱきと働いている。
村人たちの生気が溢れるそんな村に
移り住みたいと言うよそ者も多くいたが
村の掟がそれを許さない。
ココの者と結婚した者、もしくは、
ココで産まれた者しかこの地で暮らす事はまかりならぬ。
そして、この地に一度暮らした者は
決して、外へ出る事はまかりならぬ。
それはこの村が出来て以来変わらない鉄の掟。
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