第1章

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―――――――― ――――――  それからいろいろ、本当にいろいろあったんだ。  私にも、アキちゃんにも。  あの後、お互い色んなとこに越しました。  でも「アキちゃん」みたいな人には会った事がありません。  今はとても離れて暮らしています。  お誕生祝いなんてしないし、年賀状もやり取りしない。  結婚祝いもしませんし、特別に何かしたの覚えがないです。  お互い住所、今、わかんないし。  ――だけど――  ほんとに辛くて、どうしようもなくて、夜中にかけた電話だったっけ。  一緒に電話口で泣いてくれた。2人で泣いて会話がボロボロで。  あれからも、あなたの口から出た言葉が私を支えてくれた。 「生きてんだよ!すごくない?!」 「好きに生きていいんだよ~」 「私だって、辛くてしんどい時あるんだよ~わかる?自分だけじゃないんよ」 「だって、あおちゃんの事好きだもん」 あなたがくれた言葉たちは、私に自分を生きるって世界をくれました。  ――――――――――  数ヶ月前に、ひょっこり電話が来ました。 「あおちゃ~ん。ちょっとさ~どう思うよ~」  散々、最近こうだああだと話して……。  ちょっと元気なかったのに、最後スッキリしたよって。  近況喋ってそれでいいの? 「うん!だって私間違ってないもんって自信持てたから大丈夫」  そんな、他愛もない電話をお互いたまにします。  そうそう、電話の最後に、 「なんかさ~。あのアパートでさ、うちら会って。まだこうやってんだね。それって凄い事だよね!!」  そう彼女が言いました。    10年程前、隣に引っ越してきたのは「私」     そして今――――   ――――私は、アキちゃんにとって連絡取りたくなる人だそうです。   《おまけ》 東京オリンピックで再会しましょう!コレが私達の目標です(笑)
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