第1章

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「はいは~い」  アキちゃんがネコを抱っこして玄関に出てきて、応対してくれた。 「隣に越してきたあおです!良かったらティッシュどうぞ!」  なぜここでティッシュ?これノリちゃんからの助言です。あいつ鼻炎だからティッシュがいい!! 「いや~ん!助かる!!ありがと~!!いいのに~。あんまいないけど、女子2人になったね。よろしく~」  アキちゃんはそう言って長い髪を後ろにはらって、肩に乗せた猫を落とさないようにティッシュを受け取った。  仲良くはしないとと思いつつ、特に何か共通点があるわけでなくアキちゃんと会うより、最初は男のノリちゃんと会うほうが多かった。  こんな小さなアパートだけど、お祭り騒ぎ好きで、あちこちから人が集まって友達が友達を呼んだり、ママや、その友人が来たりでビールサーバー持ち込んでバーベキューなんかしたりした。  5月の連休初日にもやった。  狭いアパートの庭。ノリちゃんが準備して……。  ノリちゃんは胃痛で参加できませんでした。  で、!私以外の住人は、まだ帰宅してない土曜。  なぜか住人以外は夕方6時前に10人は集まってバーベキュー。火が通らないとこは、部屋に戻ってレンジでチンしないと間に合わない程の食いっぷり。どんな関係かもわからない人たちが集まってる。  ノリちゃんは寝込んでたけど、アキちゃんは8時には帰ってきた。お酒大好き~って並べられたお酒の類を、子供連れとかいる中でわいわい騒いで飲んだ。食べて。私もつられて、どうにでもなっちゃえって。  やっすい肉だけどみんなで食べるから美味しい!!  ロンちゃんはデートでいませんでした。  夜11時を過ぎた頃、宴は終わった。みんなは顔見知りで、私は初めての人ばかりだった。だから、なんだか気持ちばかりが急いて着いて行くのがやっとな数時間。それでも、みんな優しくて、居心地が良かった。  ざっと片付けて、私とアキちゃんが残った。ビールーサーバーにまだ残ってるビールを平らげるべく、カポカポついではお月様を2人で眺めながら飲んだ。  このとき初めて知ったのだ。アキちゃんが私の1個年下だった事を!!だってだって大人っぽいんだもん!!かっこいいんだもん!自立した女だし。色気もあるし!    「もったいないから、飲みきろーよ!」  
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